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第5講

原価計算

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  等級別総合原価計算

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等級別総合原価計算は、工場全体で一種類の製品を製造していますが、1級製品、2級製品、3級製品のように級別製品が出来上がる場合に採用される原価計算です。

例えば清涼飲料水を製造している工場で2リットル、1,5リットル、1リットルのペットボトルに詰めているような場合に適しています。

まず清涼飲料水の原価は工場全体でいくらか計算し、次に下のような表に従って級別に原価を按分します。

今回の場合、各級は容積によって分けられますので、容積の比を等価係数とします。1級製品を2とすれば、2級製品は1.5、3級製品は1となりますね。

ところがこの比で原価を按分すると正しくありません。なぜならそれぞれの級の製造個数が異なるからです。

そこで等価係数に製造個数を掛けて積数とします。そして原価の合計を積数の合計で割ります。すると積数1あたりの原価が求まりますので、それへ各級の積数を掛け合わせてそれぞれの級の原価とします。

ここで注意すべきことは、各級の単価を求める際に、積数で割るのではなく、製造個数で割るということです。

では、例題です。

     容積  等価係数 製造個数  積数  製造原価  単価

1級製品 2ℓ        2             1,000          2,000      400,000    @¥400

2級製品 1.5ℓ     1.5           3,000         4,500       900,000    @¥300

3級製品 1ℓ        1             4,000         4,000       800,000     @¥200

              合計   10,500     2,100,000

計算

製造原価合計➗積数合計🟰1積数あたりの原価

2,100,000  ➗ 10,500🟰  @¥200

1積数あたりの原価✖️積数🟰各級の製造原価

1級製品     @¥200✖️2,000🟰400,000

2級製品     @¥200✖️4,500🟰900,000

3級製品     @¥200✖️4,000🟰800,000   

仕訳

1級製品     400,000             /       仕掛品      2,100,000

2級製品     900,000        

3級製品     800,000

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SANGAKU

プロフィール
初めまして、SANGAKU です。
商業高校で30年以上”簿記“を担当し、定年を迎えました。
現在も時間講師として会計コースの授業を担当しています。
ボケ防止、あるいは備忘録を書くような気持ちでブログを始めました。
簿記を習い始めた高校生の皆さんのお役に立てたらと思っています。 
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ブログの記事自体は通常のわたしの授業内容です。
取り上げるのは簿記、原価計算および財務会計です。
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